消化器科専門外来 Medical

ご来院の際のお願い

  • 可能であれば検査の都合上、9〜12時間以上の絶食の状態でお越しください。

  • 便の状態が悪い場合は、最新の便をご持参ください。

主な症状 Symptom

  • 嘔吐
  • 吐出
  • 下痢
  • 食欲低下
  • 腹痛
  • 流涎

代表的な消化器疾患 Disease

慢性胃腸炎

慢性的な消化器徴候(2-3週間以上続く嘔吐、下痢など)が見られ、栄養状態の悪化や血液検査上の異常が生じることがあります。
慢性胃腸炎はその原因により、細菌やウイルスなどによる感染性胃腸炎、寄生虫性胃腸炎、食物アレルギー性胃腸炎、食物繊維反応性胃腸炎、食事反応性胃腸炎、抗菌薬反応性胃腸炎、ステロイド反応性胃腸炎などがあります。また、確定診断には内視鏡生検を実施いたします。

膵炎

膵臓は様々な消化酵素を腸内に分泌したり、脂質などを分解したり重要な臓器です。
膵炎とは色々な原因により消化酵素が過剰に活性化してしまい、強い炎症が生じることです。お腹が痛くなったり、消化器徴候(下痢、嘔吐、食欲低下など)がでてくることがあり、重症化すると亡くなる可能性もある怖い病気です。

消化管腫瘍

超音波検査や内視鏡などで病気をさがします。
進行して切除困難な病態もありますが、外科切除や化学療法にてコントロールが可能な場合もあります。早期に発見して早期治療することができる可能性があります。

消化器疾患の検査 Inspection

  1. 糞便検査

    寄生虫の有無、細菌などを調べます。

  2. 血液検査

    タンパク質(特にアルブミン)の減少がないか、腎臓や肝臓の異常、膵臓や炎症のマーカーなどもチェックできます。

  3. レントゲン検査

    異物やお腹の全体像の異常などを探索します。

  4. 超音波検査

    お腹の中の異常をリアルタイムで確認することができます。

  5. 内視鏡検査

    いわゆる胃カメラです。口からとお尻からの検査ができます。

  6. 腸内フローラ検査

    腸内の細菌を細かく検査することによって様々な病気の予防に繋がります。

超音波検査について

描出可能な肝臓、胆嚢、脾臓、腎臓、副腎、膵臓、膀胱、胃、小腸、大腸、リンパ節など内臓のチェックを行います。
誤食した場合にも異物の探索なども行います。

超音波検査機器(HITACHI ARIETTA)
超音波検査機器(HITACHI ARIETTA)

内視鏡検査について

  • 誤食による異物(鼻腔、食道、胃など)の探索、摘出。
  • 慢性化した消化器徴候の診断には、開腹手術による組織生検/内視鏡による組織生検が必要になることがあります。

内視鏡生検のメリット

  • 粘膜面の異常を確認できる
  • 見落としを少なくするため沢山の組織を生検することができます。
  • 侵襲性が低いため、検査当日にご帰宅できます。
  • 検査直後よりステロイド治療などできます。

開腹手術でのメリット

  • 組織を確実に生検することができます。
  • 小腸のどの部位でも生検することができます。
内視鏡
内視鏡検査

腸内フローラ検査について

腸内の細菌を細かく検査することによって、様々な病気の予防に繋がります。

腸内細菌の乱れから起こり得る病気は、

  • 慢性胃腸炎
  • 炎症性腸疾患
  • 喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 慢性腎不全
  • 情緒(分離不安、誤食)

など、様々です。

腸内フローラの検査結果から、その子に合ったオーダーメイドのサプリメントや食事指導を行うことが可能です。
少量のうんちで検査ができ、負担も少ない検査になります。

検査結果サンプル

症例紹介 Case

消化管型リンパ腫と診断したわんちゃんの症例のご紹介

11歳のパグさん。
1週間以上下痢が続き、対症療法を実施するも良化が見られなかったため、 血液検査を実施したところ、栄養タンパクのアルブミン(Alb)の低下が認められました。

  • 腹部超音波検査、血液検査、尿検査、糞便検査などから蛋白漏出性腸症(PLE)を疑い、原因を調べるため内視鏡下生検を実施しました。

    食道
    十二指腸
    回腸
    回盲部
    結腸
  • 生検鉗子による採材:できる限り広く沢山、そして綺麗に採材をすることで、見落としの可能性を減らします。

  • 病理検査結果:
    上皮内にリンパ球の浸潤が重度にみられ、中程度のリンパ管の拡張も見られた。

    リンパ球クローナリティー検査(遺伝子検査):
    B細胞性リンパ球クローナリティーあり

  • 消化管型リンパ腫(消化器のガン)/腸リンパ管拡張症による蛋白漏出性腸症(PLE)と診断し、治療を開始しました。
    抗がん剤や食事療法(手作り超低脂肪食)などの治療を開始

  • 栄養タンパクのアルブミン(Alb)の上昇、下痢の改善が認められました。

このように、当院で検査・診断・治療を一貫して行うことが可能です。
嘔吐や下痢などの消化器徴候(消化器症状)はよく見られますが、長期化すると実は重い病気が隠れている可能性もあります。
気になる症状がございましたら、いつでもご相談ください。